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7月29日(木)
【Keynote Sessions for Professional Publishing】
第二部 PDFワークフローの考察 |
記録担当:山名 一郎
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■現在のワークフロー
現在のワークフローは、クリエイティブも実行もデスクトップで、デリバリはコンピュータで、ということになっている。デジタルワークフローが完成するところにまできているのだが、問題は各プロセスが、デザイン関係のクリエイト、プロデュースと呼ばれているアセンブリ、印刷に代表されるようなデリバリ……と、個別のボックスで構成されている点だ。きわめて効率の悪いワークフローになっている。
そのため経費がかさみ、「仕上がりが予測できない」「信頼性に欠ける」といったフラストレーションがそれぞれのプロセス内に蓄積している。
米国で昨年プリプレスプロバイダに調査をしたところ、かれらが受け取るデータの58%に障害があって出力エラーになっているという結果が出た。4000億ドルの市場と言われる米国の出版業界うちの58%がローマテリアルでつまずいているのは大変な驚きだ。この影響は、ファイルに問題があるばかりでなく、完成品の品質の問題にもなってくる。
■Adobe Acrobat4.0によるデジタルフローのソリューション
デジタルワークフローへの要求やニーズを分析すると次のようになる。
●信頼性
ワールドワイドウェブやテレビ、ラジオはめまぐるしく変わる。市場に早く商品を 出していかなければならないが、だからといって品質が低下するわけにはいかない 。早く、しかし確かな信頼性が必要である。
●プロセスの自動化、効率化
人がデータに介在しないほどランダムな変更事項は起きないのだから、反復的な作業は自動化し、それによって優秀な人材を高いスキルの作業に回す。
●既存のDTPや専用システムというのは、いまや行き詰まった状態である。このプロセスで効率を上げていくには新しいやり方を見出すしかなく、PDFがそのためのテクノロジ、ソリューションだと考えている。事例で具体的に述べる。
■PDF/X
PDF/XとはeXchangeで、ANSIで協議中である。ANSIはISOの基で、そのANSIにCGAT(Graphi F/XとはeXchangeで、ANSIで協議中である。ANSIはISOの基で、そのANSIにCGAT(Graphic
Art Standard Technical Committee)がある。その中で、PDF Ver.1.2をベースにPDF/X標準が2つの部分から話し合われている。一つはファイル
フォーマットのガイドラインについて。2番目はPDFをどのように使うのかというユーセージガイドラインである。ユーセージガイドラインの詳しい情報はインターネットにある。
■事例
●アーカンソー州にある新聞社の例。
同社は、PDFやその他のファイルフォーマットから印刷するわけだが、Acrobat4.0を 使うことによってさまざまなストリームラインが合理化でき、印刷の時間が97%削減できている。この時間短縮は、ページのイメージングの時間が97%減ということ。もちろん準備段階やファイルをデリバリするところでも短くなっている。ギリギ
リの入稿が可能になったためクライアントも満足している。
●出版社の例。
同社は何年間もPDFファイルを受け付けてきたのだが、新たにAcrobat4.0のプレスオ プティマイズセッティングを使ってハイクオリティなPDFが保証できるようになった
。そしてPDFによってプロセスも大幅に短縮化され、品質の向上とコスト削減という両方のメリットを生んだ。このコスト削減のうまみはクライアントではなくこちらの収益になるということ。1冊の本でだいたい40時間、1人1週間分の仕事をセーブできるようになった。
●大手印刷会社の例
ここが顧客サービスを大幅に向上させることができたのは、Acrobat4.0で作成したPDFフ 大幅に向上させることができたのは、Acrobat4.0で作成したPDFファイルを受け付け
、また逆に、他のファイルをPDFに変換したり、ウェブパブリッシングなどクライア ントに新しいサービスを提供することでも歓迎されている。ウェブパブリッシングはPDFファイルの流用なので作業量が大幅に増えない。
●プリプレスプロバイダではファイナルドキュメントをクライアントに早く提供することに成功している。承認プロセスにAcrobat4.0を採用したことで全体のプロセスが大変スピーディになったからだ。制作には紙を使わず、クライアントにプリントさせるという方法でもコスト低減を果たした。
■質疑応答
PDF/XとはPDFを利用したデジタル送信のための規格と理解していいのか? Rosenbaum氏:PDF/X ではAdobeが主導権を握っているのではなく、ユーザサイドの
要求で始めた。Adobeとしてはテクニカル情報を提供することによって、そこで定義 されたユーザのニーズがきちんと満たされることを保証する。とくにデリバリにPDFを使
を使うと、業界の横断的なコミュニケーションツールとして利用できる。例えば米 国の場合、コーポレートパブリッシャーが広告代理店に対してPDFを標準と決めたと
しても、他の広告代理店でそういう標準がないとさまざまなファイルフォーマットを扱わなければならず作業量も増えてしまう。そういう非効率を解消したいというニーズだった。
■日経デザイン誌のケーススタディ
日経デザイン誌では、広告および記事上において、作成、校正、印刷のプロセスをフルPDFワークフロー制作という興味深い試みをした。このプロジェクトにかかわったのはクライアントであるAcrobat。編集プロダクション。大日本印刷。そしてAdobeの取り扱い広告会社の電通。広告原稿は電通の制作で、原稿の制作、PDFへの変換、伝送を担当した。さらにToo。同社のTansmission
Managerを使用した。そしてモリサワ。今回、邦文はすべてNewCIDフォントを使っている。NewCIDをエンベッドとし、PostScript 3 で出力した。雑誌としては初めてのはずだ。
●今回のワークフロー
今回のワークフローは、PDFの作成、オンライン校正、入稿、印刷の4つである。これらはさらに広告と記事のワークフローに分けられる。前者はAcrobat4.0の広告を電通を通じて媒体に掲載するもの。記事部分は編集プロダクションが制作した。
・PDFの作成
広告原稿は3点の写真が貼り込まれたIllustratorのファイル。ファイルサイズはおよそ24MB。それをPDFにし、この段階で邦文フォント5書体と欧文2書体を埋め込んだ。
作業前まで、フォントを埋め込むとファイルは相当重くなると思っていたのだが、予想以上に軽快に動いたのは驚きだった。実際のデータは24MBから、フォントを格 納しても19.5MBと減った。
記事部分についてはPageMakerで作成しPDFに変換した。QuarkXPressでもできないわ けではない。
・オンライン校正
広告の校正作業については、Adobeの宣伝部と電通の制作部とでウェブ上でやり取りした。
今回の校正はAdobeや電通に同時に電子メールで送っている。朱字はPDFの注釈を使っているのだが、ポイントは注釈だけを書き出すこと。それぞれの担当者の注釈を
書き出し、それをオリジナルのデータに読み込んでしまう。つまり、1枚の校正紙 に何人分もの朱字が入れられるのである。そうして朱字が入ったデータを再び全員 に回して作業が完了した。朱字が容易に一本化され、転記のミスもなく早く処理で
きた点には驚いた。
もう一つのPDF校正の特徴は、相手先のアプリケーションを考えなくてもいいことだ。制作はMacintosh、他はWindowsという環境下では、これまでどうしてもファクスでの校正になっていたが、今回はすべてPDF校正通すができた。従来のゲラ配と比較すると時間的無駄がない。
・入稿
次は入稿と印刷だ。今回はすべてオンラインだが、入稿原稿のメールへの添付は、ファイルサイズの大きさから言って現実的ではない。そこでこの部分に関しては、ISDNのISDNの専用回線を利用して送信した。Transmission
Managerを4回線使った。入稿自体にトラブルはなかったが、一つクローズアップしておきたいのは、PDFよりも印刷会社と出版社の決まりごとの問題だ。現在データ入稿の際には、入稿仕様書を添付している。それがオンライン化された時、その仕様書はどうなっていくのか。そのルールが確立されていない。今回はTransmission
Managerの入稿仕様書JobTicketを利用したが、今後、こうしたワークフローをどう 構築していくかが非常に重要になると強く感じた。
・印刷と校正
印刷は、当初、大変心配したが、結論から言うと出力時のトラブルもなくあっけな く完了した。少なくとも、角版の写真と平アミ、文章が入るレベルであればまったく問題ない。今回の実験で一つ断っておきたいのはダイレクト分版ではなくいったんPSに書き出し、そこからIn-Rip
Separationで分版したことだ。 |
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