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7月28日(水) 7月29日(木)
【Keynote Sessions】
第一部 Adobe PDFのビジョンを探る |
記録担当:山名 一郎
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■ Adobe PDFと電子文書
●Adobe PDFとXML、SVG
PDFとはPortable Document Formatの頭文字である。コンパクトながら、異なるプラ ットフォームやさまざまなメディアにクロスプラットフォームで対応できる。またオリジナルのレイアウトを保護し、どんな言語、フォント、アプリケーションであっても、オリジナルに近い印刷を保証する。PDF
Ver.1.0の登場は1993年。現行はPDF Ver.1.3である。
最近よくユーザからPDFかXMLか、という問い合わせがある。XMLはW3Cが定めた、SGMLベー スのウェブ上での構造化文章のためのインタチェンジ、さらにSVG(Scalable
Vector Graphics)があり、これはXMLのグラフィックスのスタンダードである。簡単に比較 すると、グラフィックスを多くの含むコンテンツを正確に再現し、校正・出力でき
るという点でPDF。一方、構造化されたドキュメントならXMLだが、紙のようなLook & Feelは得意ではない。
●WebにおけるAdobe PDF
PDFはウェブ上ではすでに事実上のスタンダードドキュメントになっている。ウェブ上でのPDFの用途には2つあって、一つはグラフィックなクリエイティブドキュメント。もう一つはナレッジドキュメントである。
前者にPDFを利用すれば、非常にコンパクトながら、豊かなグラフィック表現と高品質な印刷ができる。この特徴を生かし、ワークフローでの承認プロセス(進行管理や校正)やグラフィックアートの信頼できるマスタに有効だ。
ナレッジドキュメントとは、企業や事業体の資産であるドキュメントを言う。資産であるため長期にわたる保存と持続性、セキュリティが求められ、このことが多くの企業がPDFを選択している理由である。さらに欧米では紙から電子化への流れが急で、そこではPDFの検索性が好評だ。電子メールのアタッチメントにもPDFはよく利
用されている。
■Adobe Acrobat4.0
●Adobe Acrobat4.0の特徴
Adobe Acrobat3.0の狙いは、一人がパブリッシングし紙やインターネットによって複数に伝える出版にあり、それはほぼ達成できた。Adobe Acrobat4.0で強調しているのは、ワークグループでのコラボレーション。複数の人が複数の人に向けて多くの情報を配信できるようにした。こうしたことは、従来「プリントして配信する」というプロセスのドキュメントの流れが、PDFとウェブによって、「最初に配信し、それから必要に応じてプリントアウトする」というように、配信と印刷の関係と順
序を変えた。こういう配信=電子デリバリはコスト節約に寄与し、これまで大量に 紙を消費してきた業界が大きな恩恵を受けるばかりか、コミュニケーションも円滑になる。
●Adobe Acrobat4.0開発の背景と新機能
今回の商品化において2つの分野を意識した。ビジネスユーザとプロのパブリッシャーである。まずビジネスユーザでは、今回は電子ドキュメントのレビューを強化した。ファイル上のセキュリティも電子署名で実現している。
また、PDFファイルから、グラフィック、テーブル情報、テキストなどを抽出し、Microsoft OfficeやAdobe Illustratorによる編集を可能とし、さらに構造化文章のPDFへの組み込み――実際にはXML対応――も探っている。
他に、常時インターネットに接続できないビジネスマンに向け、ウェブサイトのキャプチャ機能を用意した。これがあればあとでそのサイトを見たりプリントアウトしたりできる。さらにMicrosoft
Officeから直接、かつ簡単にPDFが生成できるようにし、フォームも充実させた。
プロのパブリッシャには、@PostScript3への完全互換、Aページサイズの1mmから5.8mまでの対応、カラーマネジメントシステムの採用、Cデジタルマスタとしてではな
く、アプリケーションを一緒に送りたいというニーズに応えるため、PDFのファイルの中で封筒のように折り込める機能、D情報を取り出しやすくし、その情報の修正機能。Eプロの高度な要求に対応し、Distillerにプリセットやジョブオプションを持たせ、ドキュメントのアウトプットをより高品質なものとし、さらにDistillerでの独自コンフィグレーションを作成し、それを事前に配布できる機能――などである。
■ 米国での成功事例
●政府関係省庁関連
米国の政府関係省庁では150以上の機関がPDFを標準電子文書としている。
新薬の認可をする食品・薬品局の新薬承認の申請書類のスタンダードはPDFである。そのうちファイザー製薬会社は製薬会社の中でもっとも早くPDFを採用し、その結果
、売上・利益の大幅増につながった。
また、これまで紙の書類の提出を要求していた裁判所も、ここにきてPDFを受け入れるようになった。運用・運航には膨大なマニュアルが欠かせない航空機を管轄する連邦航空局でも、PDFによるマニュアルの標準化を進めている。
●民間企業
ウェブサイトの開発のコスト削減に時間短縮にPDFを生かしている企業にロッキード社がある。ここではウェブキャプチャ機能をウェブの開発に大きく役立てている。履歴情報、または後から政府の要請があった時に備えてウェブサイトのイメージをストアしているのである。
ミシガン州でもっとも大きな設備といわれる電力発電所は、巨大な設備であるのと電力会社であるため政府のさまざまな要求事項を満たさなければならないことからPDFをPDFを使っている。こういう業界は政府との関係が深く機密情報などを多く持っている。そのために、Acrobat4.0のセキュリティ機能を使って管理している。
シスコシステムズは、PDFを使ってドキュメントをウェブやCD-ROM、紙に出力している。PDFはパブリッシングシステムを効率化、シンプル化でき、約5千万ドル相当の節約になったという。同社の受注は40%がECのため、製品情報の更新は大変に重要である。PDFによってウェブのドキュメントの更新が1ヵ月に一度に可能になり、1万ページを超えるドキュメントもデリバリできるので、顧客の評判もいい。
■モデレータとのミニディスカッション
白旗氏:いまフォームのデモンストレーションがあったが、Adobeもフォームで休暇等の申請をしているのか。
Rosenbaum氏:会社にはいろいろな書式の用紙がある。AdobeはそれらをPDFフォーム 化し、イントラネットで使っている。フォームの使い方は三つある。
・プリントアウトをして署名する
・オンラインで書き込んで電子メールで送信する
・オンラインで用紙を書き込み、提出する際はイントラネットのウェブを介して行う
白旗氏:Acrobat4.0になって、Macintosh版とWindows版では役割が変わってきたよ うだ。
Rosenbaum氏:Windowsに搭載されていてMacにない機能があるのは承知している。4.0の開発で重要だったのは、Windowsと同じタイミングでのMac版をリリースすることだった。そのためMac版にはウェブキャプチャ、センドメール、電子署名などがない
。これらの開発はすでに進めている。両OSがこの先どうなっていくかは、Macはグラフィックのプロフェッショナルの機能強化を、Windowsはビジネスユーザを意識しMicroso
Officeと連携した形になる。
■質疑応答
PDFはその標準ないしは機能面で、数学と漢字の扱いの2点が抜けていると思うが?
Rosenbaum氏:数学の計算に関しては、Java Scriptに制約されているため複雑な計算はできない。漢字は1万以上もあるのでフォントの扱いはエンベッドになっていくだろう。ただ、フォントに関しては、ライセンスの問題やその他さまざまなローカルな環境があるので調整も必要だ。またユニコードを当然サポートしているが、
これはPostScriptを弱体化させてしまうと思う。
PDFの出現で米国の印刷産業はどうなっているのか。また将来はどういう予測を立てているのか。
Rosenbaum氏:手許にデータはないが、いくつかの印刷会社では発注量も収入も増えている。PDFで節約できた分を印刷に回そうというクライアントが増えているからで
、例えばある印刷会社の場合、これまで10件受注をしていたクライアントが13件の 発注するようになった。
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