Conference レビュー

7月28日(水)
【セミナー for Professional Publishing】

PDFによるマルチメディアコンテンツの作成
記録担当:下司 智津惠

■はじめに
高橋氏:今日はPDFのおさらいを軽くやって、オーサリングができることを知ってもらいます。一般的にはMacromediaのDirectorというのがあるが、それよりPDFのほうがより向いている場合もある。それらについても説明されると思います。

例えば、単価と数量を入れると合計が出る、などできるが、見るだけでなく使うPDFとして使っていくと、ただ単に配布するだけのメディアから、使い込んでいくメディアに変わっていきます。二次的なものから、三次的なものへの展開もできます。


■PDFとマルチメディアコンテンツ
井上氏: PDFがどうしてマルチメディアコンテンツなのかと疑問をお持ちの方がいたら、それを解きほぐして、こんなこともPDFでできるんだ、とまずは実感していただきたい。

近代以降、紙が非常に大きな力を持って高度な生活ができるようになったと言える。紙は、情報を伝えてきた唯一のメディア。


PDFのメリットをおさらいすると、一つはポストスクリプトが持つ表現力を持っているということ。世界の印刷物の、欧米の9割、日本でもだいたい4割は、DTPを使っている。つまりほとんどのものはポストスクリプトによって印刷されると思っていい。紙の上に表現しようとしているものは、すべてデータとしてはポストスクリプトに置き換えられるが、その表現力をPDFは持っている。今までのものが、全部PDFにできるレベルにまで来た。

それから、今までできなかったことができる。例えば1ページ目がPowerPointのデザインしたもの、3、4ページ目が企画書、5、6ページ目はモデリング図、その次はExcelで作った表というように、もともと別々のものを次から次へ画面に表示できる。こういうものは他にはない。ページサイズも自由にできる。

紙はすぐに表示ができるが、コンピュータはそこまでいかない。しかし、紙に書かれた情報の部分だけは、PDFに置き換えることができる。PDFは、紙の情報を置き換えられる唯一のデジタル技術。現時点でここまでもってこられるものはほかにない。かつ、マルチメディア性を紙の情報に付加することができる。一番重要と思われるのは、既存の紙文化をそのままデジタル化できるということ。見るためのメディアが違うだけで、見ている内容は実は変わらない、というのがもっとも重要なポイント。


今まで我々が作ってきた印刷物用のデータをマルチメディアコンテンツやCD-ROM、Webにするのは大変だった。コンテンツは一つの物を使い回しするが、もう一度組み直していた。発想を変えて、既存の紙からいきなりPDFにしてしまえば、CD-ROMでもWebでも簡単に情報発信できる。Acrobatだけで、特別の設備等はほとんど必要ない。

PDFは、あらゆるコンテンツを再利用できる。CADのデータをいきなりマルチメディアコンテンツで使うことは、今まではできなかった。しかも一度PDFにしたものは、作り方にもよるが、高品位な印刷をすることもできる。画面でも見られるし、拡大しても見られる。

PDFの最大の特徴は、文字を埋め込むことができること。この文字はOSに依存しない。既存の状況では、OSによって文字化けする。Directorだけでなく、DTPでもそう。自分が使いたい記号でも、Windowsにもっていけば文字化けするからほかのものにしている、などということがある。PDFではこれが起こらない。

またAcrobatには、リンクの機能がある。これは、何かアクションを起こすためのトリガー。別にアクションというのはページジャンプだけではなくて、いろんなバリエーションがある。4.0になって、この機能がかなり増えた。例えばリンクボタンにファイルメニューの終了を設定しておくと、それを実行すると、Acrobatが終了する。しおりというのもトリガーになる。しおりにファイルを開くとか、閉じるとか名前を付けておいてリンクを設定しておけば、そういう動きになる。


■フォーム機能の活用
次に紹介するフォームの機能は、日本でAcrobatを使っている人ではほとんど使われていない。参考書がほとんどないので、結構難しい。表計算のようなものや、文字を入れるテキストボックス、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニューのようなものもできる。遠いところにあるデータベースからやりとりして、リアルタイムで数値を変えることなどもできる。例えば、今までは紙に書いていた帳票類を、コンピュータの中で処理するように変えた場合。PDFなら紙と同じ状態が画面に表示されるし、いつでも紙に戻せる。

Acrobat4.0日本語版の中に、STORE PDFという名前のファイルが入っている。Adobeのロゴの入ったグッズを売っていて、それのPDFの申込用紙みたいなものである。選んでクリックした商品が、オーダーページに自動的に入る。個数を選ぶと合計金額が変わる。これをプリントアウトしてFAXしてもいいが、このデータをそのまま送ることもできる。また、PDFデータではなくて、ここの数値だけを送る方法もある。まだその機能を開発する側か理解していないので、国内では実際に運用されているものは皆無ではないか。これは実はこういう注文書だけではなくて、アメリカのホームページでは、税金の申告書など、たくさんのフォームが利用されている。


■マルチメディアコンテンツの事例紹介
次にAcrobat Reader3.0英語版に入っていたサンプルを紹介する。クリックすると、部屋が出てくる。マウスを持っていくだけでムービーが動いている。ほかにも仕掛けがたくさんあるが、これらは全部フォームの機能を使っている。

最後に見せるサンプルは、MOVIEが貼ってあるもの。別ファイルになっていて、リンクが貼ってあるQuickTimeが貼れるということはインタラクティブにいろいろなことができるということでもある。

まずはPDFでデジタルドキュメントのすごさを知ってもらいたい。そして今までとどう違うデジタルドキュメントが出来るのか、ということを今日は紹介した。

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