Conference レビュー

7月28日(水)
【セミナー for Professional Publishing】

PDFとオンデマンドプリンティング
記録担当:下司 智津惠

■はじめに
杉山氏:オンデマンド印刷という切り口で業界の動きを見ていると、企業の方では、 特にone to oneマーケティングという切り口で見たときのオンデマンドとして、個別対応という切り口で興味を持っていらっしゃる。しかしどうも印刷業界の方は、いま一つ踏み込まれていない気がします。しかし技術が進歩し、環境が整ってきて、動きが一気に変わってくるのではないかと思っています。今日はお二人に、one to one、 PDFをメインにしたオンデマンドということで、最終的には企業と印刷業界がどういうかたちでコラボレーションできるのかまで踏み込んで話をしてもらいたいと思いま す。

■one to oneマーケティングとオンデマンドパブリッシング

星名氏:今日は、オンデマンドパブリッシングを、新しい情報提供のサービス手法として、トータルのマーケティングの中でとらえていきます。今マーケティングでは one to oneが注目されていて、一般の企業も非常にそれを求めています。

one to oneマーケティングという言葉は、二つの視点でとらえることができます。一つはお客様を差別しましょうという発想で、二つ目は一つの製品を違う見せ方で紹介するという発想です。どういうお客様が自分たちのものを買ってくれるのかを識別し 、質の高いサービスを行っていくことが、one to oneマーケティングのkeyになります。これが、結果としてコストもかからず、利益も上がる方法です。インターネットが出てきたおかげで、マスを対象として、one to oneができるようになってきました 。

しかし、基本的にウェブというのは、相手がアクセスしないと情報を流せません。一方的に送る紙が、プラスアルファで必要だということです。顧客のプロフィールを元に、ダイレクトメールの内容をより興味を持ってもらえるように変え、今までとは違 う情報展開をやろうということです。

もう一つの切り口として、一つの製品を違う見せ方をするというのがあります。製品を勧める相手によって、それぞれに売り込むための、コンセプトごとのカタログを作らなくてはいけないのではないか、ということを企業が気づきだしています。

このためには、かなり自動的にドキュメントを作らなければなりません。一般の人が 、個別のものを作るには、安定性、セキュリティ、という点でPDFしかありません。 実際に作ったシステムでは、カタログの中身をプロに作ってもらい、営業マンは勧めたいものを指定するだけというようにしました。PDFであれば、改ざんの心配もありません。

これはWin Winのシステムです。データのダウンロードに課金をしたり、きれいな印刷結果を求めるのなら印刷会社に頼む仕組みになっているので、一般のオフィス、印刷会社共に満足のいくシステムです。

杉山氏:今の話の中で、one to oneの大切さと、それを具現化するためのオンデマンドパブリッシング、PDFがかいま見えたのではないでしょうか。次に、マイケル氏の発表に移ります。

■one to oneパブリッシング

マイケル氏:本日はみなさまのビジネスにおける収益の増加に、いかにオーディエンスワンが役に立つかを紹介するためにここにやってまいりました。オーディエンスワンは、アドビから独立した会社で、one to oneを確立した最初の会社です。PDFを使って問題解決の検討を行ってきました。

まず先程説明があったように、長年標準となってきているのがマスマーケティングです。しかし、将来は確実にone to oneが主流となるでしょう。カスタマパブリッシングとは、ウェブを通じてカスタムドキュメントを作成する方法です。これが、オーディエンスワンが提唱する one to oneパブリッシングです。

今年の5月にニューヨークで オンデマンドの展示会が開かれました。そこで、インターネットに関しての質問をしたところ、印刷会社と企業側にはいくつかの類似点があることが分かりました。印刷業者はウェブをビジネスに使いたいと思い、企業もよりよい投資効果をウェブに求めています。

オーディエンスが開発した、one to oneパブリッシングでは、まずエンドユーザーが プロフィールと欲しい情報をブラウザで入力します。オーディエンスがウェブサーバから情報を受け取り、ソースとなるPDF可変データから、適切なものをユーザに合わせて選択します。その結果、希望の内容に適したPDFが選択されますが、これは複数のPDFから構成されています。次にそれらを一つのPDFに組み立てます。これらはすべて自動で行われ、最後にメッセージと共にユーザーにPDFが送らます。

例えば、ご自分が金融サービス会社で働いていると想像してください。会社では、コンサルタントは毎日のように、顧客のためのドキュメントを発行しています。こういった状況の中で、会社としては、コンサルタントがパーソナライズしたドキュメントを作りたい、と考えるでしょう。私たちはこういった要求に応え、会社とコンサルタントに対応した、ウェブサイトを作ることから始めます。このシステムでは、顧客のニーズに基づいて、名前、アドレスといったインフォメーションを入力し、選択していく、それだけでパーソナライズ化したドキュメントが完成されます。これは、カスタムテクニカルマニュアル、カタログ、提案書の作成など、想像以上の幅広い範囲で使えます。パーソナライズしたドキュメントを使えば、顧客の関係を強くし、コストダウンによって、インターネットをより活用できるようになります。

オーディエンスワンでは、ソフトを提供する際にサービスも提供しています。維持管理を企業で行うこともできるし、パートナーにすべてを委託することも可能です。オーディエンスワンでは、いつかPDFがキーテクノロジーとなると確信しています。

■質疑応答

杉山氏:one to oneパブリッシング、マーケティングという話でしたが、企業側のコンセプトでスタートしています。それに対して印刷会社がどういう形で絡んでくるのかという具体例があれば、聞いてみたいです。

星名氏:あるメーカーから、取り次ぎの二次店に対してウェブで情報提供し、その中で自分の希望するものをクリックしていくだけでドキュメントができるサービスをつくれないか、という相談がありました。PDFベースでやるのなら、電子の紙の切り貼りを自動的にやるのですね、ということで、そのしくみを用意するのが印刷会社になります。やってくれるところがあれば、メーカーは頼みたいと思っています。

杉山氏:one to oneに付随する仕事というのもあるし、印刷もなくならない。そういう部分は印刷会社に来る。そういう関係作りのために、one to oneに入っていくのが大切ということですね。

星名氏:ボリュームは増えないが、one to oneのドキュメントを作るのに、一点ずつ印刷単価が違うなら、単価は上がります。決してビジネスが苦しくなるとはとらえないで欲しい。

マイケル氏:一つ例を上げますと、マグロウヒルはテキストブックを扱っている有名な会社で、カスタムのテキストブックなどをオンデマンドでテキストブックを提供しています。もちろんPDFファイルで、どこでもオンデマンドで印刷しています。
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